ロンドンでミュージカル:CATS

本日が2015年の最終出勤日だったのですが、1年間お疲れってことで期間限定でやってるCATSを観てきました。

CATSは7年近く前に劇団四季のを1度だけ観たことがあるのですが、その時はまだミュージカルを観るのも2回目で予習もきちんとしておらず、いまひとつストーリーを理解出来ないままとりあえず「Memoryめっちゃいい曲!」「ミスターミストフェリーズめちゃかっこいい!」くらいの感想しか抱くことが出来ませんでした。

その後色々なミュージカルに触れ、自分なりの楽しみ方が確立されてきた中で新たな気持ちで臨んだ2回目のCATS。

ただただ圧倒されて、幸せな気分で会場を後にすることが出来ました。

劇団四季版CATSは今北海道で公演中のようですが、2016年7月から大阪での公演が始まります。きっと関西に住んでる人は観に行く人も多いと思うので、参考までに今回自分が改めて観に行って感じたことをまとめておこうと思います。

 

1. ストーリーと楽しみ方

・ストーリー

簡単にまとめてしまうと、「選ばれしジェリクルキャットを決める舞踏会のお話」です。いわゆる群像劇的な要素の強い作品で、ゴミ捨て場を住処とするネコたちが一同介し、個性的なネコたちが1人1人紹介されていく形でストーリーが進んでいきます。

ジェリクルキャッツとは何ぞやと問われると答えるのが難しいのですが、劇団四季のHPによると、

「人間に飼い馴らされることを拒否して、逆境に負けずしたたかに生き抜き、自らの人生を謳歌する強靭な思想と無限の個性、行動力を持つ猫」

とのことです。たくさんいるジェリクルキャッツの中で、もっとも純粋なジェリクルキャッツが選ばれ、選ばれし者は天上に上り、新しい人生を生きることを許される・・・というのが大まかな話の流れです。

 

・楽しみ方

CATSはオペラ座の怪人やLes Misérablesのような壮大なストーリーが用意されているわけではなく、音楽と舞台上の演技・演出を楽しむ作品と自分の中ではカテゴライズしています。近くで観るのも迫力があってとても楽しいと思うのですが、少し引いて全体を眺めるのもすごく綺麗で感動します。今日はRoyal Circle(2階席)の前から2番目で鑑賞したのですが、ちょうど舞台全部が視界にギリギリ収まるくらいの距離感で、一人一人の演技だけではなく全体を見渡すことが出来たので一層「集合体としてのCATS」を楽しむことが出来た気がします。

他のミュージカルとの違いは何といってもたくさんの魅力的な登場人物(猫)たち。動物が主人公のミュージカルはライオンキングというこれまたディズニーの大御所がいて、ストーリーや演出の派手さでいうとやはりライオンキングの方が勝るかなと感じるのですが、シンバとナラを中心に話が一直線に進んで行くライオンキングに比べて、CATSは1人1人(1匹1匹)に焦点をあてて、彼らの魅力をじっくりと最大限に引き出していきます。

そのため、CATSを100%楽しむためにはまず登場人物について予習をしていくことを強くお勧めします。参考までに自分が注目!と思うネコについてもまとめてみたいと思います。

 

2. 注目のキャラクター

本当は色々紹介したいキャラがいるのですが、多すぎるので自分が気に入ってる6匹を選びました。これだけとりあえず頭に入れておけば十分に楽しめると思います。

 

・The Rum Tum Tugger (ラムタムタガー)

辛気臭い感じで始まるCATSですが、彼の登場により静寂がぐさっと切り裂かれ、CATS最初の盛り上がりポイントが訪れます。ラムタムタガーはとてもワイルドでファンキーなネコで、性格は自由奔放、メス猫にもモテモテというアウトローなキャラクター。劇団四季版ではギャル男系(?)のかっこいいネコだったのですが、ロンドン版ではドレッドヘアーのヒップホップ系オス猫でした。ラップとストリートダンスがとにかくかっこいいので必見です!

 

・Grizabella(グリザベラ)

CATSはこの人なしでは語れません。なんといっても名曲「Memory」を熱唱するのはこの人。本日の公演においても、最後のシーンの力強い歌声は心の奥底にまで届いてきて身震いするとともに、目頭に熱いものを感じました。グリザベラは若い頃は名の知れた娼婦だったのですが、今は年老いて他のネコたちの仲間にも入れず孤独に生きているとのこと。そんな彼女が昔の記憶にも想いを馳せながらこの曲を歌い上げるその姿は、このミュージカル1の見所といっても過言ではないでしょう。

 

・Old Deuteronomy(オールドデュトロノミー)

ネコたちの長、長老です。彼が登場する瞬間から物語が終わるまで、いかに彼が他のネコたちから慕われ、大切にされているのかをしみじみと感じることができます。セリフがあるわけではないのですが、演技だけでそれを表現してしまう役者さんたちの凄さが半端ないです。オールドデュトロノミーは終始他のネコより少し高い位置にいるのですが、皆が踊るシーンでは遠目で見ると彼が上から全体を指揮しながら、糸でも引いているかのように皆を操っているように見えて非常に綺麗です。愛嬌のあるキャラです。

 

・Skimbleshanks(スキンブルシャンクス)

鉄道を愛するネコ、らしい。ちょっとおどけた感じのネコなのですが、後半少しだれてきたところで陽気な音楽とともに彼が登場します。なんといっても曲が良いです。本当に楽しい音楽で、周りのゴミたちが集まって列車をつくるパフォーマンスは圧巻の一言。間違いなくこのミュージカルのハイライトの1つです。

 

・Macavity(マキャヴィティ)

マキャヴィティは登場人物の中でも異色のキャラクターで、皆に恐れられる犯罪王です。スキンブルシャンクスが作ってくれた楽しくて陽気な雰囲気を一気にぶち壊しにしてくれるわけですが、登場人物のキャラクターの幅を更に広げてくれます。ただ陽気なネコたちだけがいるわけではなく、グリザベラのような哀しみを背負ったネコがいたり、マキャヴィティのような悪の存在がいたり、登場人物がたくさんいる劇だからこそ出来る世界観の広げ方です。正直彼のパフォーマンスが好きなわけではありませんが、それでもキャッツの世界を構成する上で彼の存在は外すことが出来ないと感じるのです。

 

・Mr Mistoffelees(ミスターミストフェリーズ)

自分がCATSの中で一番好きなキャラです!ミスターミストフェリーズはいわゆる手品師なのか、ダンスとマジックの達人として紹介されます。「驚いたもんだ、素晴らしいやつさ、マジカルミスターミストフェリーズ」という劇団四季で聞いて印象的だったフレーズが英語だとどんな感じなのか気になりながら聴いてましたが、

 

“Oh, well I never, was there ever A cat so clever as magical Mr. Mistoffelees”

 

という歌詞内容でした。とにかく彼のパートの見所はくるくる何回も回る回転のシーンと、皆が大喜びするマジックを披露してくれたところでしょうか。キラキラの服もマジシャンらしくてすごく印象的。

 

と注目のネコを6人(匹)紹介しましたが、ロンドン公演でひときわ目立ってたのはやはりラムタムタガーでしょうか。というのも一人だけ明らかに風貌と毛色が違う!しかも英語のラップが超かっこいい。自分はミスターミストフェリーズのファンのはずですが、今回ばかりは彼の存在感はミストフェリーズを凌駕するほどの勢いでした。こうやってキャラを1人1人(匹)見て覚えていって、自分の好きなキャラを作ってしまえばより一層楽しく鑑賞できると思います。

 

3. というわけで

以上、自分の中では初の試みだったのですがミュージカルの感想をまとめてみました。

CATSに関しては劇団四季のサイトにも色々解説が載っているので、参考にされると良いかと思います。リンク変わるかもしれないですが一応貼っておきます。

www.shiki.jp

www.shiki.jp

また、You Tube劇団四季のチャンネルにもハイライトがあげられているので、ロンドンで行く人も日本で行く人も一通り予習していくと一層楽しめると思います。特に海外での公演の場合は英語の歌詞を聞き取れない人が多いと思うので、先に日本語で聞いておくのはありかと。

 

www.youtube.com

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CATSの感想は以上です。

 

ロンドンのミュージカルは全部制覇したいなーと思ってるので、また他のミュージカルについても感想を書きたいと思います。

 

 興味ある方はこちらもどうぞ↓

キャッツ [DVD]

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劇団四季ミュージカル「CATS」ロングラン・キャスト

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