ウィーン2泊3日の旅 その2

ウィーンの旅2日目です。

この日は3月31日でちょうどイースターの日に該当したのですが、同時に3月の最終日曜日ということでサマータイムに切り替わる日でもありました。そのせいというわけではないですが、早起きしてシェーンブルン宮殿に行く予定が寝坊してしまい、起きて朝ご飯を食べ終わると既に10時という時間帯。この時間帯から行っても混んでるだけだろうということで、断念して市内を観光することに。

しかし、シェーンブルン宮殿を止めにしたのは正解でした。この日は3月最終日にも関わらずすごく冷え込んでおりまして、外は雪と風というまさかの悪天候。散歩するのも億劫だったので、翌日に行こうかと思っていた美術史博物館でのんびりすることに決定。

というわけで、行ってきました。

美術史博物館

ちなみに、美術史博物館は自然史博物館と向かい合っていて、建物がどちらも酷似しているため一見するとどっちがどっちか分からないのですが、駅側にあるのが美術史博物館です。ミュージアムクオーター側の入り口から入って、右手ですね。

この写真にもちょっとうつり込んでいますが、11時前くらいに到着したところまさかのチケット売り場大行列。しかも1つの窓口しか空いていませんでして、30分以上待たされてしまいました。。寒い中なかなか苦しい戦いでした。やはり当日チケットをスムーズにゲットしたければ、早起きしなければいけませんね。

さて、実は自分はそこまで美術品には興味がなく、いつも美術館にいっても軽く流して終わってしまうタイプなのですが、結論から言ってしまうとこの美術館は今までで一番楽しめました。美術品の点数も多いですし、内装もとにかくすごい。

まず入り口を入ると、正面にこのような華々しい階段ホールが訪問者を歓迎してくれます。どこぞやの宮殿よりもよっぽど豪華で、お城のような雰囲気を醸し出す内装です。

内装4

様式自体はネオルネサンス様式とのことですが、とにかく細部に拘った装飾が至る所に施されていて、壮麗の一言。中心にはこれまた人気のカフェがあるのですが、上の階からは吹き抜けの様子を楽しむことが出来ます。

内装3

内装2

内部を見学するだけでそれなりにお腹いっぱいな気分になることが出来ましたが、前述の通り美術品も見応えがあります。絵画は2階に飾ってあり、3階には金貨等が展示されているのですが、1.5階でもハプスブルク家の財宝が数多く展示されていました。例えばこんな感じ。

金の船

金細工

あまりに数が多かったのでさすがにさっと流す程度にしましたが、細部に拘った美しい金細工が数多く展示されていました。これはこれで興味深かったです。

絵画の方はというと、これまた数が多く、入り口を入り正面階段に向って右手側がイタリア•スペイン•フランス絵画、左手側がオランダ•フラマン•ドイツ絵画 という区切られ方をしていました。作者も多岐に渡りましたが、とりわけ目を引いたのがブリューゲルの作品達。他の美術館と比較しても多数のコレクションが展示されているようで、「バベルの塔」を筆頭に、「雪中の狩人」など有名な作品がたくさん展示してありました。

こちらがバベルの塔です。この絵の前に集まる人はやはり多かったです。

バベルの塔

雪中の狩人。

雪中の狩人

子どもの遊び。

子どもの遊び

という感じで見応えのある絵画作品が多数展示されている美術館です。先にも書きましたが、普段絵画を鑑賞する機会が少ない自分ですが、休憩も挟みながらゆっくり楽しむことが出来ました。天気の悪い日でも楽しめるのが美術館のいいところですね。あとはやはり事前に勉強していく方が楽しめるなーと感じました。自分はガイドブックで予習した程度ですが、それでも「あ、これがあの絵かー」という風に絵を見ながら発見があったりして、知識を蓄えれば蓄えるほど楽しめるのではないかと感じた次第です。ま、美術だけではなくて何にでも言えることですが。

こうして美術史博物館を満喫して外に出たわけですが、数時間経っても相変わらずの悪天候。というか、入る前よりむしろ悪化していて冷たい風が小粒の雪とともに吹き付けてくる状況。

お昼時は過ぎていて、夕方のミュージカルまでの時間が中途半端だったので何をしようかなーと考えていたところ、ふいにザッハートルテの存在を思い出しました。

これは行くしかない!ということで、オペラ座のすぐ近くにあるカフェ、ザッハーへと足を進めました。

ちょうど日本で言うお菓子の時間だったので混んでないか心配していたところ、案の定悪天候の中でもカフェの前に列が出来ていました。仕方ないかと思い並びましたが、思ったより回転率が高いようで10分、15分で中に入ることが出来ました。

中はワインレッドが基調の落ち着いた雰囲気。ゴシックな雰囲気で歴史を感じました。メニューが新聞のようになっていてお洒落です。

メニュー

色々とラインナップがありましたが、もちろん看板商品のザッハートルテを注文。待つこと数分、ついにザッハートルてが目の前に!

ザッハトルテ

ごらんの通りとても上品なお菓子です。時間をかけてゆっくり頂きましたが、噂通りとっても美味。外国のお菓子というとやたらと甘いイメージがありますが、ザッハートルテはなかなか上品な甘さ。そしてチョコレートには杏が練り込んでいるのか、杏味。生クリームとの相性も抜群です。カプチーノも上質なお味でした。1日目から寒い中歩き回ってそろそろ疲れも貯まってきた頃でしたが、おいしいお菓子を頂きながらよい休憩タイムを持つことが出来ました。

ザッハートルテを食べ終え、少し街中をぷらっとした後は、いよいよ本日のメインイベント、エリザベート

もともと今回の旅はコンサート系はモールァルとだけでいいかなと思ってたのですが、出発1週間前くらいにエリザベートが今年の6月まで期間限定で再公演していることが分かったため、急遽チケットを予約したわけです。

エリザベートは今まで見た中で一番感銘を受けたミュージカルで、ちょうど学生の頃梅田にウィーンからミュージカルがやってきていたのでその時に鑑賞しました。エリザベート皇后の生涯を「死」の存在と関連づけて描いたこの作品。皇帝ルドルフとの出会いを経て王室に入るエリザベートですが、姑ゾフィーとの確執等で王室での暮らしになじめないエリザベートはふいにやってくる「死」の誘惑と立ち向かいながら、自分なりの生き方を模索していきます。少し辛気くさいかもしれませんが、波瀾万丈な生涯をドラマチックに描いているとても興味深いミュージカルです。宝塚版など日本でも講演されていて、小説も出ています。興味ある方は是非読んでみて下さい、おもしろいと思います。ストーリーはこちらにも詳しくまとめてあります。

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ミュージカルはRaimund Theaterというウィーン西駅の近くの劇場で開催されました。大きさとしてはロンドンでレミゼラブルがやっているクイーンズシアターより少し大きいくらいでしょうか。街の雑踏の中にひっそりと佇んでいます。

Raimund Theatre

今回座席は少しひいた目線で見ようかと思い、最前列は避けて少し後ろの席を予約。劇場内の雰囲気はこんな感じです。落ち着いた雰囲気ですね。

エリザベート

18時になり、いよいよミュージカルがスタート。エリザベート皇后を暗殺したルイージが裁判で諮問にかけられるシーンから始まるわけですがここで2つの問題が発覚。

まず字幕。ミュージカルはドイツ語なので、観光客のことも考慮してなのか英語の字幕が出てくれました。ただ、字幕の位置が舞台の端なんですよね。上の写真で言うと、舞台の左右に非常口のライトみたいなのがうつり込んでいるのが見えると思いますが、それが字幕です。あまりに舞台の中心から離れているのと、文字が小さいことのダブルパンチでとにかく見づらい。字幕を追おうとすると目線があっち行ったりこっち行ったりで、大変なことになりました。

そしてもう1つの問題が、前の座席の人の座高が高くて舞台が見えない!しかもあんまりミュージカルに興味がないのか、すぐに首を傾けたりとかあまり集中力ある人ではありませんでした。頑張って座る位置や首の角度を調整して見ましたが、なんかせわしなく落ち着きませんでした。

というわけで最初の方は実はあまり集中してみれなかったのですが、物語が後半に進むに連れて徐々にそれらが気にならないほど舞台に没頭。ストーリーもさながら、改めて見ると舞台での演出がとても派手。ダンスの動きが激しく、衣装も派手なものが多く、舞台の設備も大掛かり。そしてロック調の音楽もあったりで、観客を飽きさせません。ちなみに自分は「エリザベート…」と呼びかけるしんみりとした歌が好きなのですが、生憎曲名が分からず…しかしこのミュージカルで使われる曲はとても心に響く歌が多いです。

というわけで、休憩を挟み合計3時間の公演、存分に満喫させて頂きました。

さきほどYou Tubeを検索していたらウィーン版の動画みつけたので、興味ある方は是非見てみてください。

 

ミュージカルが終わると21時過ぎ。帰り道でご飯を食べてから、そのままホテルに帰宅。

部屋に帰ると、ホテルから可愛らしいイースターの贈り物が届いていました。

ホテルからの贈り物

長い1日を締めくくるのにぴったりの贈り物でした。

これで2日目終了です。次は最終日。