アムステルダムのコンセルトヘボウでクラシックを楽しもう!
アムステルダムにはコンセルトヘボウというヨーロッパ屈指のコンサートホールがあります。
建設されたのは実に1888年のこと。戦争で焼失せずに未だその姿を威風堂々と維持していて、音響がとてもいいと評判のホールです。(ちなみにオランダ語でコンサート(Concert)+建物(GebouwJ)でコンセルトヘボウ(Concertgebouw)です。)
ちなみに中はこんな感じ。
もともとクラシック音楽は好きだったのですが、オランダに来てから2年の間1度もコンセルトヘボウに足を運んだことがなかったので、これはまずいと思い今年の8月くらいから頻繁に足を運ぶようになりました。
ヨーロッパのいいところは、こんな世界的に有名なホールで日本よりも格安の値段でコンサートを鑑賞することができることです。コンサートによりますが、20〜40ユーロくらいでチケットが取れることもしばしば。
今回はそんなコンセルトヘボウで聞いた中でとりわけ良かった!と感じた曲を2曲だけ紹介します。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 『皇帝』
© Beethoven's 5th Piano E-flat major, Op. 73 ...
鳥肌が立ちそうなほど感動したのがこの曲。周りの人から皇帝はだいぶ評判が良いので楽しみにしてたのですが、想像以上。よっぽどの愛好家でない限りクラシックに眠気はつきもの(?)ですが、この曲は眠気を感じる暇すら与えない。1楽章〜3楽章まで流れるように聴き通すことができます。モチーフのメロディラインがしっかりしてて、坂本九の『上を向いて歩こう』の元となったという逸話もあるくらいなので、そう思って聴くともっと親近感が湧くことでしょう。そしてとても明るい曲なので、聴き終わった後も清々しいです。とにかくまずはYou Tubeで聴いてみてください。
解説はこちら。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
sm21525892 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18 辻井伸行 ...
重い鐘が鳴るような、ずしーんとくるピアノの音から始まったと思えば、たちまちその重々しい雰囲気を美しく哀愁漂うピアノの旋律が取り払い聴き手を違う場所に連れていく…これぞラフマニノフというか、本当に美しい曲です。そして、のだめカンタービレで千秋がシュトレーゼマンとの共演で弾いていた曲でもあります。のだめがどれくらい浸透してるかは知りませんが、日本人でも知ってる人、どこかで聞いたことあるという人が多い曲ではないでしょうか。上で紹介した皇帝とはまた全く違う雰囲気ですね。ラフマニノフはこの曲以外にも切なくて美しい曲が目白押しで、オススメです。さすがロシアですねー。
解説はこちら。
コンセルトヘボウでクラシックを楽しもう!
クラシックはポップミュージックと違って1曲1曲が長いのであえて2つしか紹介してませんが、どちらもとても聴きやすい曲なので入り口にはもってこいです。個人的な好みでどちらもピアノ協奏曲ですが、だいたいクラシックのプログラムはまず最初に短めの曲を1曲演奏して、その後でピアノ協奏曲、締めに交響曲というパターンが一般的で、運が良ければアンコールも演奏してくれます。ラフマニノフの時は曲の後でピアニストの人がアンコールで自分の大好きなシューマンの『トロイメライ』を演奏してくれて、とてもとても嬉しかったです。
フジ子・ヘミング~トロイメライ(シューマン) - YouTube
そしてさらに、コンセルトヘボウのすごいところはコーヒー、紅茶、オレンジジュース、さらにワインがロビーで無料で飲めること。コーヒーと一緒にクッキーも食べらます。他のホールに行ったことないからあまりわからないのですが、詳しい人曰く他の場所ではまずこんなサービスはないとのこと。有料ならありますが。開始前と休憩中の2回飲むチャンスがあります。
場内はドレスコードが基本ですが、中には普通にジーパンで来ているような輩も結構います。しかしながら聴衆の大半は綺麗な衣装に身を包んでいることを考えると、スーツ+ネクタイとまではいかずとも、ビジネスカジュアルくらいの服装にはまとめた方がいいです。(もちろんスーツがベストだとは思いますが)
そしてクラシックのコンサートに行くには予習は必須です。さもないと心地よい音楽が貴方を眠りへと誘ってくれることでしょう。。自分はだいたいWikipediaの解説を読んで、書いてあることを意識しながらYou Tubeで何回か聞いてみるというのを予習としています。やっぱり曲のことを理解していると演奏中も曲に集中することができますしね。興味ある人は曲の構成とか聴きどころまで踏み込んでみてもいいと思いますが、とりあえず雰囲気を楽しみたいだけならそれだけしておけば十分です。
というわけで、アムステルダムに訪れた際には是非コンセルトヘボウでクラシックを楽しんでみてください!