日本で西欧絵画を堪能すること:夢見るフランス絵画展とホドラー展に行ってきた

ただいま一時帰国で日本に帰ってきております。

遊んでくれる人のいない平日の昼間に何をしようか迷ってたところ、面白そうな絵画展がいくつか開催されていることを知ったので、夢見るフランス絵画展とホドラー展に日を分けて行って参りました。

ヨーロッパに住んでるのにあえて日本で欧州絵画展?っていうのはありますが、こういう企画ものって少なくともオランダではあんまりない気がするんですよね。せっかくの勉強のチャンスということで、以下少し中身をご紹介します。

 

夢見るフランス絵画展


夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ

このサイトに詳しいことが載っていますが、この絵画展では印象派〜エコール・ド・パリ、19世紀末〜20世紀初の作品を扱っています。モネやセザンヌルノアールにデゥフィ、シャガールなど有名画家の作品が目白押しです。6月までは兵庫県で開催されていたようですが、今は渋谷のBunkamuraで12月14日までの開催となっています。

フランス絵画、特に印象派の作品は日本人にとても人気のある画風だと言われています。淡くて明るい感じとフランスブランドの高級感が日本人の心をくすぶるのでしょうか。自分もふわふわして透き通るような絵は好きなので例外ではありません。展示の中では特にモネの「エトルタ 夕日のアヴァル断崖」に心を奪われました。家に飾りたくなる綺麗さです。

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モネとはがらっと様相が変わりますが、フォーヴィスム(野獣派)の画家になぞらえられるデュフィの作品にも目を奪われました。特に「ニースホテルの室内」。自分は同じ野獣派の画家のアンリ・マティスが好きなのですが、その作品にかなり似通ったものを感じます。といってもデュフィの作品は数点しかありませんでしたが。。

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展示場はそこまで大きくもないので、どれくらいじっくり見るかによりますが1〜2時間
あれば大体見れると思います。印象派が好きな方、フランス絵画をちょっとかじってみたいってかたにはおすすめの絵画展です。

会場のBunkamuraでは、このイベントは別に先週は絵画のオークションがやってたのですが、もう終わって今はアフターセールの時期になっているようです。アフターセールも11月3日(月)で終わってしまうようなので、興味ある人は是非それまでに足を運んでみてください。

 

フェルディナント・ホドラー


フェルディナント・ホドラー展/【東京展】 2014年10月7日(火)~2015年1月12日(月・祝) 国立西洋美術館/【兵庫展】 2015年1月24日(土)~4月5日(日) 兵庫県立美術館


スイスとの国交樹立から150年、ということで上野の国立西洋美術館にてホドラー展が開催されています。ホドラーという画家、実は自分にとってあまり馴染みのない画家だったのですが、世紀末芸術の巨匠の1人と呼ばれるほど凄い人です。

ホドラーといえば「パラレリズム」の提唱者とのことで、展示内容で一番目を惹くのがやはりパラレリズムを題材とした作品です。自分が特に気に入った作品が次の3つ。

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上から「感情Ⅲ」、「オイリュトミー」、「シェーブルから見たレマン湖」です。パラレリズム云々の前に、自分はホドラーの色使いがとても好きになりました。重い作品が多いのに全体的に明るく、吸い込まれそうな魅力を感じます。

この3つの中ではオイリュトミーがお気に入りです。この作品は死への接近を暗示している絵のようですが、足取りは決して重々しくなく、希望も絶望もなく、ただ刻々と流れる時を感じることができる、、というのが自分の感想なのですが、それはやはりリズムを意識したホドラーの手法と中立的な色使いによるものなのかなーと素人ながらに感じたりしました。

ホドラー展の東京での開催は2015年の1月12日(月・祝)まで。その後は兵庫県へと場所をうつし、4月5日(日)が最終日となります。たぶん滞在時間は1時間半〜2時間くらいでしたが、非常に中身が濃く作品点数も多い展示会でした。夢見るフランス絵画展と違って1人の画家をじっくりと鑑賞するというスタイルですが、自分はこちらの方が好きだったかもしれません。普段はあまり見れない絵を堪能したい方は、ぜひご訪問を。

 

日本で西洋美術を鑑賞するということ

今回2つの絵画展に行ってきたわけですが、何気に絵画展に日本で参加したのは初めてのことです。絵画鑑賞はヨーロッパに住み始めてから出来た趣味なので日本にいるときは絵画自体にそんなに興味はなく、同じくヨーロッパで好きになったオペラも日本では参加したことなかったのですが、改めて調べてみて日本で見れる西欧絵画やオペラってかなり多いんだなーということに気づきました。欧州は大きな美術館が点在しているせいか、こういった企画展ってそんなに多くはない印象を持っています。(勉強不足の可能性も大いにありますが。。)

日本にいながらいろんな芸術に触れることが出来るって、とても素敵なことだなーと思います。しかも解説が日本語で読めるというのがかなり大きい。自分は英語に大きな難はないですが、それでも日本語で解説が読めると理解の早さと深さが大分違ってきます。なのでどちらの展覧会のカタログもそれなりの値段はしましたが思い切って両方購入しました。笑

これからも日本に帰ったときは、何か絵画展がやってないかなーと調べて参加してみるようにしたいと思ったイベントでした。