南仏プロヴァンス周遊記 その2
プロヴァンス地方2日目。
朝起きて早々にエクスアンプロヴァンスを後にし、2カ所目の訪問地、アヴィニョンへと向かいました。
アヴィニョンと言えばかの有名な童謡、「アヴィニョンの橋」を想像する人も多いのではないでしょうか。確かに橋もありますが、アヴィニョンは中世の城壁に守られた歴史観漂う街で、夏になると街の至る所で演劇が行われていることから、「演劇の街」とも呼ばれています。
我々は車で来ましたがもちろん電車でのアクセスも可能で、電車を降りて駅から街の方に進むと石で出来た門が観光客を待ち構えています。街の入り口にこういった堅牢な雰囲気の門があるのは初めてみたので、ついつい興奮してしまいました。
門をくぐるとメインストリートとなっていて、きれいなプラタナス並木がならびます。エクスアンプロヴァンスもそうでしたが、プラタナスはプロヴァンス地方で良く見かけた気がします。
ヨーロッパの並木道は本当に奇麗です。そして、街中で良く見かけたチラシたち。一体何なんかと思ってましたが、演劇の季節なので宣伝に気合いが入っていたのかもしれないですね。
メインストリートを少しだけ真っ直ぐ進んだ右手には石造りの寺院がそびえ立っていました。サン•マルティアル寺院というようですが、庭の綺麗なところでちょっとした憩いの場となっていました。こういう風景は癒されますね。
さらにずんずん大通りを進むと、時計台広場に出ます。カフェのテラス席が広がっていたりメリーゴーランドがあったりとなかなか賑やかな広場ですが、そこに市庁舎とオペラ劇場があります。こちらが市庁舎の様子。
街の様子に溶け込む石造りの市庁舎です。どうでもいいまめ知識ですが、フランス語で市庁舎は”HOTEL”っていうみたいですね。最初ずっと宿泊用のホテルかと思ってました。
市庁舎は中も公開されていましたがこれまたお洒落な雰囲気で。歴史を感じるというよりは新しくこぎれいな感じで、日光が入り込むと白い石やタイルの床がそれを反射して爽やかな雰囲気を演出していました。
そしてこちらがオペラ劇場。中には入っていませんが、ここも石で出来た見事な見栄えの建物です。何様式というのか分かりませんが、外観の装飾部分がとても綺麗ですね。
時計台広場を抜けて少し北へ進むと、アヴィニョンの見所ポイントの1つである法王庁宮殿に出ます。要塞のようなつくりになっていて、サイズが何とも言えずでかい。ガイドブックによるとヨーロッパ最大のゴシック宮殿であるとか何とか。広角レンズで何とか全景がおさまるくらいでした。
また、宮殿の前ではエスニックな格好をしたお姉ちゃんたちが踊りを披露していました。更にここから階段をのぼった踊り場には寸劇をやっている一行が。(なんか妖怪っぽいのが出て来たりでちょっと怖い雰囲気の劇だった。)こういうのヨーロッパらしくていいですよね。
寸劇をやっていたところからもう少し進むと、法王庁前の広場を一望出来る踊り場に出て、その近くにはキリストの像と小さな教会があります。
こちらは寸劇をやってた場所の近くですが、こういうところを散歩していると本当に中世に迷い込んだ気分になります。
少し進むと見晴らしのいいところに。ヨーロッパらしいですねぇ。
こちらがキリストの像。
で、教会の中。ちょっとほこりっぽかったです。
更にこちらが法王庁をサイドから臨んだ図。かっこいいです。
法王庁は中にも入れるのですが、時間の関係でスキップし、もう1つの見所アヴィニョンの橋へ。その途中でロシェ•デ•ドン公園というところを通ったのですが、自然が多く見晴らしの良いところがあったり思いのほか綺麗なところでした。
公園を抜け、いよいよアヴィニョンの橋へ。本当は下の道から行くのが正解なのだと思うのですが、公園を経由していくと丘から橋のある場所に向けて降りていくような格好となりました。最初見下ろしていた橋の様子がだんだんと近づいている様が何か面白かったです。
高台から見える橋の様子。
橋は城壁の外側にあるので一旦出る形になります。
橋の下は普通に道路で車が通過しています。
そして下まで行くと変なオブジェを見つけました。これは…橋を眺める女性?
正式名を「サン•ベネゼ橋」というこの橋。入場は有料で橋の上に行くためには€5弱が必要となります。ケチるような値段でもないのでもちろん中に入り鑑賞。門のようなところをくぐると橋の上に出ます。
この橋はもともと22のアーチがあり、全長900mほどの長さで河の向こう岸と繋がっていたのですが、度重なる川の氾濫により今はわずか4つしかアーチが残っていない状態です。氾濫で橋が崩壊する様子を想像すると少し寂しくなりますが、残されたアーチをじっくり堪能させてもらいました。写真にはないですが。橋には礼拝堂もあったりします。
あとは、オーディオガイドの中で童謡のアヴィニョンの橋の色んなアレンジ(ジャズバージョンやボサノババージョン等)を聞けたのも少し面白かった。そんなになじみの深い歌ではないですが、色んなアレンジ聞いてるとちょっと口ずさみたくなってしまいますね。
そんなこんなで橋の散策を終えるとちょうどお昼過ぎ。歩いて駐車場の方へ戻る途中、橋からもそんなに遠くない場所にお洒落そうなレストランがあったので入ってランチを頂きました。
これがまた偶然にしてはナイスチョイスでとても上手かった。ドリアとデザートのアイスを食べただけですが、どちらも凄く美味しかったです。
お腹もいっぱいになったところで、再び街中を散策しながら駐車場へと向かいました。橋に来るまでに通れなかった法王庁近辺の路地裏や中心部からちょっと離れたところを通りながら帰ったのですが、法王庁近くの小道は本当に中世という雰囲気で凄く素敵でした。もともと自分がプロヴァンス地方に憧れるきっかけになったのがフィガロか何かに載ってたアヴィニョンの法王庁近くの小道の写真だったのですが、昔から変わらないであろう美しさがそこにはありました。
たぶんもう少し時間をかけてゆっくり散策するともっと色んな景色と出会えたのでしょうが、こればかりは仕方がない。ちなみに街の外れは次の写真のような雰囲気。夜になるとちょっと治安悪そうだなーと思いました。
こんな感じでふらっとアヴィニョンを1周し終え、次はアヴィニョンの少し北の外れにあるヴィルヌーヴ•レザヴィニョンという町に移動。長くなったので2つに分けます。
続く。