採用基準

採用基準

ここ数年読書習慣が定着しつつあったにも関わらず、日本で出国の準備をしている期間はバタバタしていて全然本を読めてなく、こっち来てからも何だかんだで本を読む習慣を取り戻せていなかったのですが、最近少しずつ読書を再開することを心がけております。

日本から本を取り寄せるのは手番がかかるため電子書籍中心ですが、最近読了した本がこれ、「採用基準」。

結構売れてるようだったようなのと(就活生が手に取っていたのでしょうか)、著者がちきりんさんの正体と噂されている伊賀さんってことで買ってみました。

中身を見てみると、採用基準というよりは、完全に「リーダーシップ論」

「論」といっていいものか分かりませんが、ひたすらマッキンゼーの求める人材の話といかにリーダーシップが大事かということが繰り返し繰り返し語られていました。

内容は共感することが多くて、リーダーシップの重要さはオランダに来てから今まで以上にひしひしと感じております。駐在員って多分「貴方の役割はこれです。」と明示されている人もいれば、「とりあえず垣根問わず全体見てくださいね。」という人もいると思うのですが、自分はどちらかといえば後者に近く、日々の業務の中で課題を見つけて、それをローカルスタッフと話して潰し込んでいく、という仕事がメインです。

これがまた難しく、もちろん自ら課題を見つけてローカルに持っていかなければいけませんし、彼らのやる気を奮い立たせてあげるのも自分の役割です。そういう局面で何が必要かというと、やはり「リーダーシップ」なんですよね。何が課題で、どういうアクションが必要で、それによってどういうメリットがあるか説明してあげる。それに対して内容を一緒に吟味して、進むべき方向性を明確にしてあげる。やることが見えてきても、日本人とは考え方が違う部分もあるので、言った通りにやってくれないこともあれば、お願いを忘れちゃうこともありますが、そういった問題も含めコーディネートしていく能力、やっぱりリーダーシップなのではないでしょうか。

ちき…じゃなくて伊賀さんがこの本の中で仰っている通り、日本人には真の意味でのリーダーシップを持ってる人が本当に少ないと思います。いや、本当は持っているのに、組織がそれを発揮しにくくさせているというべきか。大企業に勤める人なら、あの決められたことだけをしっかりこなしてくださいと言わんばかりの閉塞感は誰でも感じていると思います。そして更に、意思決定において必要とされる情報の細かさ。内部だけだったら良いものの、利害関係が反する部署との打ち合わせだと、何回数字を持っていっても、「いや、これでは不十分だ」と突き返されることもしばしば。

そんな典型的日本人に対して、ちきり…じゃなくて伊賀さんは下記のように諭します。

しかしリーダーが決断する時は、「これで万事がうまくいく」という結論が出た段階ではありません。問題は山積みだが、今が決断して前に進むべきタイミングであると考えて、決断するのです。したがって、決断の後に問題が噴出するのは想定内です。

むしろ問題を明らかにし、何を改善すべきかを浮き彫りにするための決断することさえあります。問題点が洗い出せれば、一歩前に進むことができます。この点が理解出来ず、何につけても「やっぱり拙速だった。もっと議論してから決めるべきだったのだ」と言っている人にも、リーダシップ•ポテンシャルはありません。

何につけても〜のくだりがまるで自分のことを言われているようで心苦しいですが、駐在期間中にしっかり修行して、リーダーシップの片鱗でも身につけて帰りたいものです。

 

P.S. ところで伊賀さんは本当にちきりんさんなんでしょうか?

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