6年目を迎えるにあたり

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私がヨーロッパで生活を開始したのは2012年の夏が暮れ行くころだった。

 

ヨーロッパ転勤の辞令を受けたのは齢26の時。かねてから希望していた海外勤務のチャンスが突然舞い込んできた時の嬉しさと驚きは、未だ輪郭を伴ったまま心の中に残っている。

 

最初の赴任はオランダ。そこで3年間職務を全うし、4年目からはイギリスへ転勤。瞬く間にイギリス生活も2年が過ぎようとしており、もうすぐ海外生活もまる5年となる。

 

この5年間、日本では決して経験できないようなこともたくさん体験してきた。もはや日本で生活していた時のことは遥か昔のことのようにも感じる。オウシュウ生活が指の先まで浸透し、こちらでの暮らしがスタンダードになってしまったのだ。たまに日本に帰っても、同じ人種が群をなして行動してるのがすごく奇怪に目に映ってしまう。故郷であるはずの国が、まるで遠い昔に訪れたことのある国に再訪したよつな感覚になるのである。

 

そんな中、ふと思い返してみたとき、こちらでの生活の記録というものをあまりつけていないことに気がつく。旅行記はたまにブログに書いたりしていたが、ちょっとした気づきや日常の営み、生活における所感などは紙にもウェブにも書いていない。

 

これはちょっともったいないのでは?

 

海外生活6年目を迎えるにあたり、そんなことを思い出した。いつか遠くない未来に日本に帰任したとき、今度は逆にヨーロッパで暮らしていた時のことを夢のひと時のように感じ、すっかり日本に染めなおされてしまうのだろう。そんな時に、ふとオウシュウ生活を思い出すことができる何かがあった方がいいのでは。そんなことを考えて新しくブログを作ってみた次第である。

 

きちんと長く続けられるかは分からない。ただ、通勤中に黙々と日常を綴るくらいのことは出来るだろう。読者にとって面白いものになるかは分からないけど、とりあえず気の赴くままに続けてみたいと思う。